2019年月報2月号巻頭言「遣わされて道を行く」

「わたしはあなたがたを遣わす。」(マタイによる福音書10章16節)

1月6日(土)、教会員のロイ・アダムさんと、島守由美子さんのご長男である星矢くんが、ボーイスカウトのイーグルスカウトプロジェクトとして、シカモア教会の庭をリフォームしてくださいました。

シカモア幼稚園を卒園し、幼い頃から教会に通っていた星矢くんは、教会で育ってきましたから、教会とはどのようなところなのかをよく知っています。このプロジェクトを計画するにあたって、彼が考えたテーマは「道」。彼は、庭に新たな道を作ることを通して、人が日常と教会とを行き来することの意味深さを豊かに表現したのでした。

硬い地盤を掘り起こす作業は大仕事でしたが、作業当日は30名近くのスカウトやリーダーたちが駆けつけ、共に汗を流してくれました。庭の左右に砂利を敷き詰めた道が作られ、その道の先に、昨年召された遠藤千枝子さんを記念する石と、同じく昨年召されたケニヨン・テイラーさんが切られた大木から作られたベンチが置かれています。日常から教会へと帰ってきた人々を、千枝子さんやケニヨンさんが迎え、教会から日常に戻っていく時には、千枝子さんやケニヨンさんにまた、送り出されているような感覚を覚えます。そして、彼らだけでなく、シカモア教会に連なる先に召されたすべての人々が、いつも神様と共に私たちを教会に迎え、そしてまた教会から日常へと送り出してくれていることを感じることができます。この庭のテーマ、そしてすべての計画は、まさに教会を知る星矢くんだからこそできた、素晴らしい発想だと思いました。

教会とは、日常から「帰る」ところであり、また、日常へと「遣わされる」ところです。イエスは弟子たちを呼び集め、「わたしがあなたを遣わす」と言って、弟子たちをまた日常へと送り出しました。イエスに招かれ、大切なことを心に覚え、そして日常に出かけていく。それが、私たちの日常と教会との間で起きている出来事なのです。私たちは星矢くんが整えてくれたこの庭の道を行くたびに、そのことを覚え、大切なことや大切な人々を想い起こし、そこでたくさんの励ましや慰めを受けて歩む者でありたいと思います。ぜひ素晴らしいこの道を歩きに、教会にお越しください。

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