2017年月報4月号巻頭言「教会はチャレンジの場」

あなたがたはキリストの体であり、また、一人一人はその部分です。(コリントの信徒への手紙一12章27節)

「みんな違ってみんないい」。有名なこの言葉は、大正時代末期から昭和時代初期に活躍した童謡詩人、金子みすゞの詩『私と小鳥と鈴と』に記された一節です。彼女はこの詩において、人間と小鳥と鈴にはそれぞれできること、できないことに違いがあるけれども、みんなそれぞれに素晴らしい賜物を持っており、実はその賜物が違うこと自体が素晴らしいことなのだと伝えています。

彼女がクリスチャンであったという記録は残っていないませんが、彼女の詩にはいたるところにキリスト教精神との共通点を見ることができます。「みんな違ってみんないい」。この言葉もまさに、コリントの信徒への手紙一12章に記されたテーマと重なるのです。

シカモア教会では毎週の礼拝の始めに司会者が「どのような立場、背景を持っていても、私たちはすべての人を、そしてあなたを歓迎します」という言葉を告げています。それは、人一人ひとりが持つ思想や、文化や、人種などの違いはすべて、神様が造られた尊い賜物であると信じるからです。

教会には、神様に招かれて色々な人が来ます。それは、私たちの人生においてのチャレンジの場が教会に与えられているのだということです。人は、自分と違う考えを持つ人を受け入れることに難しさを感じます。しかしそれは、同時に自分の心の狭さ、頑なさ、弱さに気付かされることであり、聖書が示す罪への気づきへと繋がっていくのです。そして私たちは、それでも罪ゆるされた者として新しく生きることを神から求められていることにも気付かされていきます。教会とはまさに、神の助けを受けて新たな自分と出会っていくチャレンジの場なのです。

私たちはチャレンジャーです。「みんな違ってみんないい」と認め合える教会を目指して、共に祈りつつ、歩みを進めていきたいと思います。

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